唐突だが好きな言葉は「幽玄」である。
日本のわびさびに通ずるもので、奥深く静寂な余情を表している。
日本庭園は箱庭的で小さいイメージがあるが、丸窓から見える風景の一部分だけでも、そこに幽玄を感じて実際の大きさより遥かに広大な、無限の空間を感じる事が出来る。
敢えて全てを見せないからこそ、想像の余地があるのだろう。
昔は山の向こうにそういった幽玄なる想いを馳せていたが、現在ではグーグルマップをみたら山の向こうになにがあるか一瞬でわかってしまう。想像の余地は刈り取られ、世界は小さく狭くなってしまった。
しかしそれはあくまでグーグルマップ上での話であって、実際に山を訪れれば幽玄を感じる事はいくらでもできる。
今日は友人達と八王子の山の中にある桜の名所で花見をした。
あいにくの曇りで景色にはにごり、桜も八分咲きだったが、それはそれで幽玄なる雰囲気が表れていて、晴れで満開の時よりも花見を楽しむ事が出来た(自分達以外誰もいなかったし)。
このように、期待していたものが十分な形で現れなかったとしても、そこに想像の余地、幽玄があると思ったら世界はどこまでも広がっていくのだ。
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